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千曲川の湖畔に位置する温泉地、戸倉上山田温泉。 戸倉上山田温泉と言えば？という問いを長野県民に問いかけた場合、１０人中８〜９人は、歓楽街温泉と答えるでしょう。 このように、ここの温泉は、歓楽街のイメージが強くあります。 近くの山に「戸倉上山田」というネオンがついて５色くらい（赤・青・黄・ピンクなど）に変化するという趣向も、一時代前の温泉街を想起させます。 このような歓楽温泉地は、信州では唯一と言っていいでしょう。 スナックなど飲み屋も多く、ストリップ劇場もあり（現在は大衆劇の劇場に変わったようですが）、宴会客がホテルで宴会をした後、夜の街に繰り出していく姿が見られます。また、近くの小さな警察署に暴力団対策班があることから分かるとおり、裏の社会もあります。 昼間でもぶらぶらと街を散歩すると、タイ語の看板や、韓国語で書かれた雑誌が捨てられていたりなど、国際色も豊かで面白いです。昼間の瑞祥では、韓国語などが普通に飛び交っています。 このような表でも裏でもある種生活感に満ちた街の散歩というのも非常に面白く感じます。 夜の街のイメージが強いため、家族連れやカップル、これからのターゲットとすべき定年後夫婦など、客から少し敬遠される温泉地となってしまっています。基本的には宴会客が訪れる温泉地から抜け出せていません。 しかし、この温泉場を宴会客だけに独占させるのは勿体ない、と強く言いたいと思います。 それは、この戸倉上山田温泉のお湯が素晴らしいからです。信州で５本の指に入ると思います。それが、この夜のイメージだけで敬遠するのは勿体なさすぎます。 数多くのホテルがあり、中には古びが目立つホテルも目に付きますが、笹屋ホテル・上山田ホテルなど、歴史のある名宿も多くあります。 各ホテルは良質の温泉を持ち、単純硫黄泉などの特徴のあるお湯を利用しています。豊富な湯量があり、掛け流しにするなどの工夫もあります。 いくつかの源泉を混ぜており、同じ源泉を利用していても、色づき方が違ったり、体への触れ方が違ったりしています。 上山田温泉には、温泉銭湯がかめ乃湯とつるの湯の２つあります。両方とも新しく建て直されて、風情はなくなりましたが、使いやすい施設にはなりました。お湯の調子によってですが、エメラルドグリーンなどの色に染まっていることもあります。 その他にスーパー銭湯風ですが、瑞祥があります。ここのお湯は、青い色に染まっていて、一見の価値があります。スーパー銭湯だからといって馬鹿に出来ません 対岸の新戸倉温泉には、万葉超音波温泉、戸倉観世温泉、戸倉国民温泉といった温泉銭湯が３つあります。この温泉銭湯は三者三様であり、お湯や施設の違いを比べて味わいたいところです。朝早くからやっているので、朝湯に訪れるのもいいでしょう。 また、レトロ感満載の戸倉メリーランド白鳥園も、Ｂ級さがたまらない施設です。カラオケが流れる、昭和４０〜５０年代の雰囲気をそのまま残したアメージングパークです。 この温泉地はもっと見直されるべきだと思います。 泉質が良く、ほどよい温度で、湯量が豊富。 信州でも、本当に貴重な温泉の一つです。 夜の街だけにしておくのは本当に勿体ないと思います。