感想
平成１６年にリニューアルオープンした，とされているが，リニューアル前を知らない私にとってはリニューアルした様は殆ど窺えない。かなり昔からあるホテルのようであり（ホテルは廃業），昭和天皇が泊まった？ときに出した食事の食器が飾られていた。ゲームコーナーもあり，一昔前の施設の雰囲気に満ちている。レトロ好きな人には（一周回って）いいかもしれない。 一言で言うと寂れた施設だが，この中に人（ご老人と子どもがメイン）が溢れていた。 内湯はマンモス風呂と称され，３００人が入れるとされる。３００人は無理だろうが，３０人くらいなら普通に入ることができると思われ，私が記憶する中では長野県で一番大きな内湯かと思う。この巨大な湯船で掛け流しというのが凄い。 脱衣所で延々と温泉の説明が流れていることなど，一昔前感に充ち満ちており，一周回って面白い。 ただ，ちょっとマニアックかと思う（レトロというより寂れている感の方が強い）。この施設に大勢の人が集まるのが，ちょっと不思議。 (H17/12) 久しぶりの来訪。以前と変わらず、マニアックな雰囲気を醸し出していた。 まず、入り口近くには、「無籍動物」と名付けられた岡本太郎作の石像がある。これがこの施設によく合う奇妙な魅力がある。 入り口に向かうと「芸能ニュース」という掲示板。殆どが営業に関する注意事項で、芸能ニュースに該当する掲示はなかった。その横の赤い丸ポストもいい。 チケットを買うと、映画館のチケットのような券が出てくる。 下の写真の一番左は、曲がった鏡。なぜこれを堂々と置いているのだろう。 ＵＦＯキャッチャーなどのゲームセンターもあり、意外に子どもたちが遊んでいた。おばちゃん用の派手な服などを売る売店などもあり、一大アミューズメント施設である。一昔前の。 お湯は本物。おおむね掛け流し。上の写真の打たせ湯はダイナミック。これは循環湯口とのことだが。今時ここまでの打たせ湯は、なかなか珍しいと思う（レジオネラ菌騒動で、打たせ湯は悪者にされて、運用を止めている施設も多い）。 とにかく、このＢ級っぽさがたまらない。信州ナンバー１のＢ級温泉施設だろう。 こんなに貴重な施設なのに、残念ながら（当然ながらというべきか）ほとんどお年寄りと子どもしか見あたらない。 (H20/2) 相変わらずのレトロ感。 老若男女というが、ここは「老」と「幼」しかおらずに、その真ん中の世代が殆ど見あたらない。それでいて、すごい数の人であふれている。いつ来ても驚く温泉施設である。 露天風呂に入っていると、恐らく初対面のおじいさんたちの間で、ちょうど検察で事情聴取を受けた小沢一郎の話題から、政治の話で盛り上がっていた。民主党もしょうもないが、こういう元になったのは自民党だし、どちらも期待できない、というような話であった。ちょっと前の中国とかソ連とか今の北朝鮮などの国々のことを考えると、温泉の中で見ず知らずの人とこういう話をできるというのは、本当に幸せなことだと思う。それは決して当然のことではないのだ。 温泉から出て館内をうろついていると、おばあちゃんが子どもにせがまれてモグラ叩きをさせてあげたり、コインで動く乗り物に乗せたりしていた。１００円の綿菓子を買ってもらって飛び跳ねて喜んでいる子どももいる。 何か、時代を遡ってタイムスリップして紛れ込んでしまったような不思議な気持ちになり、そして、理由も分からずちょっと泣けてきたりする。 そんな施設です。 (H22/1)