八幡平を秋田県側に下ったところにある。
学校の校舎のような建物。入ると愛想と元気のよい宿の人が迎えてくれる。
とるものとりあえず露天風呂に行く。歩いていく露天風呂で、宿からはゆっくり歩いて4〜5分くらい。
混浴露天風呂は既に日が落ちてから時間がたち、青い夕闇にとけ込んでいた。四角い湯船が区切られていて、熱いお湯とぬるめのお湯に分けられていた。白いお湯は、暮れゆく風景によく似合う。
投入量は多くはなく、熱めのお湯も適温。周りを簀の子に囲まれているのはやや残念だが、それでも広めの湯船は開放感を感じる。
お湯は内湯とは違うようであり、酸性は強くないように感じた。
夜はランプが設置されて、また趣が違うだろう。
内湯は単純酸性泉。直前に玉川温泉という強酸性泉に入ってしまったのでインパクトは薄れるが、酸性泉の特徴は十分に感じさせてくれる。やや酸っぱく、肌にヌルヌル感がある。
雰囲気のある木造の湯質で、投入量も少なくない。
子宝の湯としても知られ、女性の内湯には「金精様」が置かれていたとのこと。宿の玄関にも神棚があって「金精様」が奉られている。東北ならではの民俗信仰が感じられる。
宿の中にある露天風呂に入る。星空を眺める。そういえば、と、10年ほど前に、夜、車をとばして栃木の山奥の野湯に行ったことを思い出す。夜が明けるまで、お湯に浸かったり車の中で寝たりを繰り返した。お湯に浸かって眺めた満天の星。
朝に散策。露天風呂は3つあり、男性用と女性用と混浴となっている。男性用に入る。ダイナミックに噴気が上がる地獄が眺められ、非常に爽快。お湯も大量に注がれていて、投入量の多さが好感。やはり温泉は投入量が勝負である。ここの湯船は源泉温度がちょうどよく、このように自然湧出泉でも大量に投入することができるのだろう。おそらく湧出箇所からは数メートル。新鮮な源泉を存分に楽しむ。この源泉も酸性は強くない。
温泉は、湯質・露天のシチュエーションともに文句のつけようもないレベルであるが、ここは料理も予想外によかった。山の宿なので料理にそれほどの期待はしていなかったが、山ならではの食材をうまく使っていた。料理に力を入れる女将の姿勢が出ていると思う。
全体として大満足。
(H22/10) |
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