一度入ってみたくて前から何度も建物の前を恨みがましく通り過ぎていたが、車を止めることができないため、諦めていた。
上高地に行く釜トンネルのわきにあり、その釜トンネルからは自家用車の通行が禁止されているため、釜トンネルの入り口には警備の人が目を光らせている。駐車禁止という看板もいくつもあり、車を止められそうにないことが理由だった。
今回思い切って釜トンネルの方にハンドルを切ったところ、警備員に声をかけられ止められる。「卜伝の湯に」と言ったところ、中ノ湯の売店のおじさんに声をかけてくれる。予約が２組入っており、４５分後になるがいいかと言われ、せっかくなので待つことにする。気のいいおじさんで、１人なのに嫌な顔一つされず、お茶とお茶菓子を出してくれた。売店の中でゆったりと過ごす。夏休みに入って忙しそうだ。私が最後で後は断っていた。旅館に泊まった人も予約が一杯と言うことでお断りしていたようであり、ちょっと申し訳ない気持ちになる。
橋をわたって湯屋へ。
狭い脱衣所で服を脱いで、洞窟の方に降りていく。薄暗い中に、３畳くらいの湯船があり、そこに薄茶色のお湯が満ちている。ここら辺で言うと、奈川温泉のお湯に似ているかもしれない。なかなか新鮮なお湯。お湯は少し硫黄の酸っぱさを感じる。洞窟の奥からは鉄分を含んだ冷鉱泉がちょろちょろと流れ込んでいる。雨水かもしれないけど。
洞窟の中でお湯に浸かっているとトリップする感じがする。空気は若干こもっているけど、新鮮な外気も入ってくるので、嫌な感じはしない。
洗い場とか、風呂以外の施設はなく、お湯だけを楽しむ。３０分の時間制限があるが、３０分あれば十分だろう。
この洞窟風呂のトリップ感はたまらない。一度は入るべき温泉。
(H19/7) |
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中の湯温泉 卜伝の湯 
