霊泉寺温泉　和泉屋旅館

ＨＰ	http://www.spa.or.jp/shisetu/izumiyaryokan/yado.htm
系統	秘湯系
混み混み度	すきすき
湯色	透明
泉質	単純温泉
泉温	３６度
湧出量	？リットル／分
蒸発残留物	９５４�r／１�s
加水状況	源泉１００
加温状況	加温
環流状況	循環＋掛け流し
風呂の種類	男女別内湯１、露天
日帰入浴料金	５００円
営業時間	９時〜２１時
休憩所	あり
問い合わせ先	０２６８−４４−２０１１
入湯回数	１回
極私的評価	−

歴史

古くから霊泉寺の寺湯として歴史を刻んできた。 開湯伝説は様々なものがある。 一つは、平維茂にまつわるものである。 平維茂が紅葉狩りをしていたとき，美女「もみじ」に呼び止められ酒を勧められた。酔ってうたた寝をしていると夢の中に白山大権現が現れて「お前の相手をしている女は鬼女であるぞ」とお告げを受け、維茂が驚いて目を覚ますと鬼女が維重に襲いかかろうとするところだった。何とか退治したが、これで体力を失ってこの地にようやく差し掛かったところ、不思議な音楽が聞こえ虹が山の間に見えるので、近寄ってみると岩の間から温泉がほとばしり出ていた。この湯を浴びたところ体力が回復した。そこで、維茂はその場所に白山神社と寺を建立した。和尚が浴場を作り近所の人に入湯させたところ，弱い体も金剛のように強くなり，不治の病も治ったので，寺号を金剛霊泉寺と名付けたという。 その他、弘安元年（１２７８年）に僧雲峯が開設したという伝承などがある。 明治１０年に大火によって資料が焼失したため、詳しい資料は残っていない。 温泉は寺湯として数百年続き，やがて近所の人の湯治場として栄えるようになった。 島崎藤村の「千曲川のスケッチ」にも少し登場する。 「温泉地にも種々あるが、山の温泉は別種の趣がある。上田町に近い別所温泉なぞは開けた方で、随って種々の便利も具わっている。しかし山国らしい温泉の感じは、反って不便な田沢、霊泉寺などに多く味われる。あの辺にも相応な温泉宿は無いではないが、なにしろ土地の者が味噌や米を携えて労苦を忘れに行くという場所だ。」 昭和３８年４月火災により焼失したが，現在は保養温泉地として復活した静かな温泉地である。 和泉屋旅館は明治３年創業とのこと。

感想

鄙びた温泉地、と評価するには鄙びすぎているかもしれない。霊泉寺温泉は、時代が平成に入らずに泊まっているような温泉地である。うまくすれば田沢温泉のようになる温泉だろうが、そうはならずに静かに時を刻んでいる。 信州の温泉でこのような温泉地は珍しく、妙な魅力がある温泉地で、たまに訪れたくなる。 ここ和泉屋旅館は、日本秘湯を守る会に加盟している。同会は結構小じゃれた宿も多いが、ここの旅館はそうではない。外観の風情は乏しく、はたして営業しているのか、疑問に思ってしまうほどである。自動ドアも暫く待ったが開かず、強引にドアの間に手を入れてこじ開ける。 声をかけると、すぐに宿の女将さんらしき人が出てくる。いい人だった。 温泉は、内湯と露天風呂が男女別で各１。外観に比較すると結構新しめの浴室である。 湯船には、独自源泉とのことであるが、カルシウム分を多く含んだ単純温泉が注がれている。浴槽内循環が残念だが、あまり人が入っていないのだろう、新鮮に感じた。ぬるめの源泉も注がれていて、飲泉も可能だった。口に含むと、ちょっと苦みも感じる。 露天風呂はお湯が入れられていなかった。冬期は入れないのかもしれない。 時代が止まったような宿。暗い廊下がたまらない。 外に出るとき、また自動ドアをこじ開けようとしたら、急に自動で開いた。どういう仕組みになっているのだろうか。 (H20/1)