亀やの目の前にある公衆浴場。公衆浴場という名前がぴったりのお風呂である。
丸いコンクリート造りで面白い。失礼な例えかもしれないが、浜辺などにある公衆便所を大きくしたような作りである。
そして、驚くことに90円で入ることができる。
番台もあって、管理する人も座っている、このような公衆浴場で、90円は破格の値段である。山形は−というより東北全体に言えるのかもしれないが、温泉に関する金銭感覚が、他地域(九州を除く)と違っていると思う。
ここは朝6時から夜10時30分までやっており、地元の人が多く訪れる。
湯船は意外なほどに大きく、丸い造形になっている。清潔にされたタイル張りが気持ちいい。
当然のことながら、お湯は掛け流し。加水もされていないということで(その分湯船が広くとられているのだろう)、かなり熱い。ちょっと浸かることができないほどである。
浴槽の縁に座ってオーバーフローするお湯を楽しんでいると、後から入ってきた地元の人がホースをつないで豪快に加水する。地元の人だからこそ許される行為である。私のような観光客にはとても気が引けてできない。
しかし、加水は十分にしていいのだろう。泉質からしてもそんな感じがする。
もう一つ水風呂らしきものがあった形跡があり、埋められているが、湯口のライオンだけ残されているのが面白い。
地域に密着した温泉。私はとにかくこのような温泉が大好きである。
(H20/10)
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