もう，外観だけでたまらなくなる温泉。長野で言うと，アクセスの容易さは大分異なるものの加賀井温泉に何となく感じが似ている。
喜んで入り口に行くと，大音量で演歌が流れている。以前だったらこれで引いていたかもしれないが，もはやこれくらいは慣れっこになり，むしろさらにマニ湯への期待が膨らむ。
「すいませ〜ん」と声を掛けると，意外にすぐにおばさんが出てきた。日帰り料金を５００円払う。この施設で５００円を取るというのは，結構いい根性していると思う。まあでもここまで来る人は僕のようなプチ秘湯マニアばかりだろうから，５００円くらい簡単に払うだろう。
湯屋への木の廊下を歩いていくと，廊下の半分くらいを数々の椅子が占めている。あちこちから拾ってきたような椅子で，これで休めというのだろう。
湯屋に入ると何と先客がいた。湯船は２人入ると一杯になるくらいの大きさ。湯船の小ささは，佐久の大谷地鉱泉を思い出す。
加熱したお湯が満たされており，自由に源泉を注ぎ込めるようになっている。口に含むと，土の味や鉄の味がする。こういうお湯にどこかで入ったような気がするけど，思い出せない。
右の写真で黒くなっている部分は，影ではない。壁が燃えて炭化しているのである。昔何があったのだろう。築９０年というのはダテではない。
お湯も含め，とにかく素晴らしい雰囲気。この風情だけで大満足。
(H16/9/19) |
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栃窪温泉 鷺乃湯 
