熊本県の南部に位置する日奈久温泉の、創業１００年を誇る老舗旅館。
木造３階建ての建物は、有形文化財に登録されたばかりのようである。
熊本空港から１時間。夜７時近くになってようやく辿り着くと、宿の人がすぐに出迎えてくれる。すぐにチェックインし、担当の人がにこにこと宿について説明してくれる。とてもいい人たちだ。
木造がとにかく素晴らしく、目を奪われる。
階段や廊下の床はワックスが厚く塗られて、また掃除も行き届いてぴかぴかに光っている。あちこちの造作も風情がいい。中庭を巻くように建物が配置されており、どこからも手入れされた美しい中庭を見ることができる。これは素晴らしい配置である。
食事は別部屋の個室部屋出しという理想的なもの。食事も食べきれないくらい出てきた。海の物が多い。最初からご飯が食べられるのもいい。
温泉は男女別の内湯と露天風呂。新しく作られている。循環掛け流し併用方式だが、オーバーフローが多くていい。若干温めに設定されていて好み。単純温泉で、若干硫黄の香りがした。
男湯の内湯から、中庭が綺麗に見える。素晴らしい内湯である。外からも丸見えであった。これは男女入れ替え制にはしようがないだろう。
玄関には大きな土間があり、そこにタイルがはめ込まれていた。古くなった部分を建て直した際に不要になったタイルを使っているとのこと。非常におしゃれで印象的である。
そのタイルの上で、宿の子供らしき子供が遊んでいた。
とにかく建物の佇まいと昔ながらの湯宿造りが素晴らしい宿であった。昔ながらだが、それを現代に生かし切っているように感じた。玄関のタイルにそれを象徴的に感じた。
（H21/5) |
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日奈久温泉 金波楼 
