猫鼻温泉は、温泉好きの口に上ることが多い温泉であった。私が温泉めぐりを始める前に水害でなくなった温泉であったが、それが１５年以上もの間語り継がれてきたというのは、よほどのことであろう。
そして、それが復活したといううわさも聞いていた。平成２３年のことである。
一時的な復活かな、とも思っていたが、実際に訪れてみるとなかなかどうして。やる気に満ち溢れている。
まず国道からのぼりが立ち並び、誘導される。
そして誘導された先には数台の車が。キャンプもできるようになっているようだ。
仮設風の建物がたまらない。
浴室は半露天風呂になっており、木作りの湯船が一つだけある、簡素なもの。
お湯と眺望だけで勝負する一本気がいい。シャワーも基本的にはない。
お湯は薄褐色で、惜しげもなく注ぎ込まれている。沢の水が加水のため注がれているが、これは自在に調整できる。
口に含むと、鉄分をやや強く感じるお湯。
そして、姫川の対岸を眺められる露天風呂。これは絶景である。
さらに意欲的に新しい露天風呂が建設されていた。
そちらも仮設風のままだが、小さめの湯船で、おゆがじゃんじゃんと掛け流されている。
この仮設風の施設だけで、温泉好きにはたまらないだろう。
そしてこのお湯と眺望。
人であふれるような場所にはないが、温泉好きの口コミで密かに人気が上がっていくだろう、素晴らしい秘湯である。
(H24/7) |
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湯原温泉（猫鼻の湯）
